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皆さんこんにちは!
エスケー商事株式会社 、更新担当の中西です。
さて今回は
~検品~
ということで、自動車部品製造における検品(検査)の重要性、具体的な手法、注意点について実務レベルで詳しく解説します。
自動車は「命を乗せる製品」であるがゆえに、その構成部品の品質にも極めて高い信頼性が求められます。製造後の検品工程は、設計図や加工指示書どおりに部品が正しく製造されたかを確認し、不良品の流出を防ぐための最終関門です。
不良の早期発見と流出防止
設計仕様への適合性確認(寸法・機能・見た目)
クレーム・リコールの未然防止
顧客への納入保証・信頼の獲得
工程改善やFMEA(故障モード影響解析)のフィードバック基礎
検査種類 | 内容例 | 使用機器例 |
---|---|---|
外観検査 | 傷、打痕、汚れ、バリ、色ムラなど | 目視、照明付き拡大鏡 |
寸法検査 | 長さ、高さ、厚み、直径、公差 | ノギス、マイクロメータ、三次元測定機 |
機能検査 | 嵌合性、回転性、ばね力、漏れ試験など | トルクゲージ、耐圧試験機 |
性能検査 | 動作試験、通電試験、応力検査など | 専用試験装置、耐久試験機 |
全数検査 | 安全・重要保安部品など全個体を確認 | 自動検査機(画像処理含む) |
抜取検査 | 大量生産部品で統計的に代表サンプルを検査 | AQL基準、JIS Z 9015等 |
設計図、技術仕様書、公差表などに基づく具体的な検査項目を設定
合否基準が曖昧だと“個人差”が発生しやすい
誰が見ても同じ判断ができるよう、写真付きマニュアルを整備
不良見本の活用、検査訓練の定期実施
検査表・チェックリスト・トレーサビリティ台帳を整備
不具合の傾向分析や設計変更時の履歴管理に活用
合否の識別ラベル、OK/NGトレイの分離管理
不適合品は必ず報告・原因調査・対策立案へつなげる
画像処理やセンサーによる自動検査装置は高効率・高精度
一方、人の感性や直感でしか判断できない「わずかな違和感」も重要
ハイブリッドな検査体制(AI+人の目)の確立が今後のカギ
ミス事例 | 原因 | 対策 |
---|---|---|
検査項目の見落とし | チェックリスト未整備、指示不明瞭 | 項目を可視化した作業指示書の整備 |
合否判断のばらつき | 作業者ごとに判断基準が違う | 標準品・不良見本を活用した教育 |
不良品の混入・混在 | NG品の隔離・表示が不徹底 | 検査ゾーンのゾーニングと管理ルール徹底 |
検査記録が不十分/未保存 | 記録の簡略化・省略癖 | 電子記録システムの導入とチェック体制 |
製造後の検品は「見えない品質保証」の最前線です。正確な検査基準、適切なツール、作業者の訓練、記録とフィードバック体制が揃って初めて、不良ゼロの出荷が実現します。信頼される自動車部品製造業者であるために、「検品=最後の砦」として、その重要性を再認識しましょう。
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さて今回は
~自動車部品の設計図~
ということで、自動車部品製造における設計図の役割と重要性、現場での運用とチェックポイントについて詳しく解説します。
自動車は数万点に及ぶ部品で構成され、それらがミリ単位以下の精度で組み合わさることで、安全・性能・耐久性を実現しています。その中核にあるのが「設計図」です。部品製造業者にとって、設計図は単なる図ではなく、「品質」「製造性」「責任」を担保する絶対的な基準書といえます。
設計図とは、部品の形状、寸法、材質、公差、表面処理、機能的要求などが記載された「技術的仕様書」です。自動車部品では特に以下の情報が不可欠です
寸法記載:長さ・直径・厚さ・穴位置など
幾何公差:平行度、直角度、真円度などの精密制御
材料指定:SPCC、SUS304、アルミ合金など
表面処理:メッキ、防錆、研磨、熱処理など
組立指示:溶接部、ねじ、嵌合、トルク指定など
設計図=製品の“あるべき姿”
寸法・公差管理は品質保証の基礎
設計変更時の“差分管理”に不可欠
加工順序・加工法(切削/プレス/鋳造)を決定
工具・金型設計の前提情報となる
工程設計(工数・コスト)の基準となる
Tier1/Tier2メーカーへの図面提出=契約内容そのもの
「図面にないことはできない」ことが責任分界の原則
製造現場における読図教育が重要
三面図/断面図/詳細図の理解力
ISO規格(ISO 1101等)への対応
図面番号・リビジョン管理(Rev.0 → Rev.1など)
設計変更連絡票(ECR)による通知と承認手順
過去図と現在図の混在によるトラブル防止
CADデータ(DXF・STEPなど)との整合性
CAM・NCデータへの自動展開
ペーパーレス化によるトレーサビリティ確保
出荷検査の合否判定基準=設計図
不具合発生時の解析基準=設計図
FMEA・工程能力分析の基礎=設計図の仕様
つまり設計図がなければ、製品が「正しい」とも「間違っている」とも言えないのです。
組立ミス防止:トルク指示・締結順の記載図
プレス金型設計:抜きクリアランス指示が図面に基づく
調達対応:材料代替時の再設計と図面改訂フローの重要性
自動車部品製造における設計図は、製品品質と安全性、取引の信頼、工程効率、すべての根幹を支える「技術の設計図書」です。その精度と管理体制が製造業の競争力を左右するといっても過言ではありません。
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